
心臓の検査でマルチスライスCTが急速に普及しており、当院でも最新型の128スライスCTを導入してご好評を頂いていますが、CT検査の原理上必ず放射線被曝と造影剤が必要になります。その点、MRIを用いた冠動脈撮影(冠動脈MRA:正式名称をwhole heart coronary MR angiographyといいます)では放射線と造影剤をまったく使いません。
最近はparallel imagingという高速撮影の技術が進歩して撮影時間が短縮されています。とくに、philips社の32チャンネルコイルを用いるとparallel imagingなしの撮影に比べて4分の1、従来型コイルとくらべても約半分の時間で撮影が可能です。
当院シースルー型MRIと32チェンネルコイル、クリックで拡大します
当院MRI室と32チャンネルコイルです。ガラス張りのシースルーMRI室を採用しているため、圧迫感なく検査を受けていただけます。
冠動脈MRAの画像です。個人差はありますが、造影剤や放射線被曝無しでここまでわかります。身体負担がありませんので、他の検査の前に異常がないか調べてみるのに適しています。
シネMRI
この検査では任意の断面での心臓の動画を撮影できます。
超音波検査のように肺などの体格や検査者の影響を受けない為コンスタントに鮮明な画像が得られます。この検査法で心臓の容積を測定し、心機能(収縮能・拡張能)ともに正確に評価します。
心機能解析画面=クリックで拡大します
シネMRIの動画をご覧頂くことが可能です。
再生にはQuicktimeが必要です。
ファイル容量10MB:通信速度にご注意下さい
心筋血流MRIと遅延造影MRI
心臓MRIで造影剤を使用すると心筋の血流がわかります。
ATPで負荷をすることで心臓核医学検査と同様の心筋虚血の機能評価が可能です。
核医学検査とMRI検査ではそれぞれ特徴がありますが、MRIの場合は核医学検査の約3分の1~4分の1の費用で行える一方、画質が機種の性能に大きく依存するという特徴があります。当院のMRIは1.5テスラ型の最上位機種を使用していますので鮮明な撮影が可能です。
赤丸の内部が黒っぽく、造影剤が届いていません。クリックで拡大します
この画像は心筋血流が低下している方の画像です。心室中隔の部分(赤く囲った部分)が他の部分に比べて画像が暗く、造影剤が十分に届いていない、つまり血流が低下していることを示しています。
赤丸の内部の白い部分が遅延造影陽性=心筋に障害のある部分です。クリックで拡大します
さらに造影剤の注射後時間を置いて撮影すると、心筋梗塞など心筋に障害がある部分が明瞭に白く映り、明瞭に異常のある部分がわかります。この白色の部分はカテーテルやバイパス治療を行っても効果の見込めない部分で、この大きさからカテーテルやバイパスといった心筋梗塞・狭心症の治療効果の予測をすることが可能です。また、拡張型・肥大型心筋症や心筋炎といった心筋疾患の診断にも効力を発揮します。




